新緑が瑞々しく輝く森。
小鳥たちは元気にさえずり、戯れている。
アルト村では、日々の仕事を忙しくこなす村人たちの姿がある。
子供たちは午前は親の仕事を手伝い、午後は遊ぶ。
彼(彼女)たちも立派な働き手だ。
アルト村は、オランから3日程度離れたところにある、森の中の小さな村だ。材木採取や木工を主産業として、細々と素朴に暮らしている。オランとはある商人を介して一定の商取引があるが、儲かるほどではない。よって、自分たちの食糧は自分たちで賄わなければならない。森は一部切り開かれて畑になっているが、主食は森の恵みである。すなわち、狩猟採集が主たる食糧源。
そんな中、ジュリアとチルグラは守備兵の補充、という名目で冒険者たちはこの村を訪れていた。
ミノタウロス亭のジョージを介して派遣されるこの仕事は、日々を暮らす程度の賃金と食糧・寝床が保証されるだけのものではあるが、日々食うにも困る冒険者にとってはそれなりに美味しい仕事として、継続的に行われている。
何せ、危険など皆無に等しい。
たまに獣が出るくらいで、妖魔の類もほとんど現れない。
・・・とはいえ、つい先日、森に異変が起こり、ダークエルフを始めとした妖魔の侵入を許したことがある。
その時に派遣されていたジュリアたちが無事解決したが、今後は少し様子が変わるかもしれない。
守備兵長の名はグウォンという。うだつの上がらない中年男である。手入れをしているとは思えないぼさぼさの口髭は、だが本人曰く毎朝のお手入れは欠かさないそうだ。
だらりとしたいい加減な感じの男だが、村人からそれなりの信頼を得ているようだ。何か実績があるのだろう。
「やぁ、ジュリア君。
こないだはありがとうねえ」
ジュリアへの声かけもほどほどに、すぐさまチルグラへと向き直る。
「チルグラちゃん、わざわざこんな田舎の村までおぢさんに会いに来てくれて嬉しいよー。
まぁ見回りくらいしかやることは無いと思うけど、ゆっくりしてってねえ」
目じりを下げてチルグラに話しかける様子は、もはやジュリアには見慣れた光景だろう。
「早速だけど、森の見回りを頼むよ。
ジュリア君、チルグラちゃんを連れて見回って。
よろしくねー」
髭の兵長は、そうして二人を森に送りだした。
森の中はすっかり春、穏やかな日差しが野の花を照らす。
小川のほとりを歩くと、さらさらとせせらぎの音が耳に心地よい。
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GMより:
それでは、ジュリアとチルグラの2名様にてスタートです。
とりあえず、村の守備兵長から森の見回りを命じられました。
早速ですが、2d6を1つ、振ってみてください。
それによってイベントを起こすことにいたしましょう。
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