「わははー!
いいぞ禿ー!」
「俺もいっそのことつるっパゲにしちまった方がいいかなあ」
「そりゃあいい。
中途半端に隠しやがって、気になるんだよおめえは」
「俺、そうするぜ。
ハンスを見ていて目が覚めた気分だ!」
「ようし、なら善は急げっていうしな、おい、ナイフねえかナイフ!」
「え、今?」
「そうだよ!ホレ、観念しな!」
「ぎゃあああああ」
舞台の袖では、こんなやりとりもあったとか。
「プッカのともだちとはまだ話したことないんだ。
こんど会わせてくれるって言ってたから、たのしみだなあ」
テナーはセグウェルと話している。
「セグウェルおにいちゃんの歌で思い出しちゃったよ。
もうこわい人は来ないといいね」
すっかり酔っ払っているエストの頭を、ぽかりと殴る木の棒。
「エストにいちゃん、勝負だ!」
ホルンである。
「おれ、少し上達してきたんだぜ。
酔っ払いの今なら、結構いい勝負出来るんじゃないかな」
にやり、と笑って、木の棒を構えた。
「エリーズちゃんはのんびりしてるねえ」
ジュリアと、傍らで伏しているエリーズに、女たちが果実酒を持ってきてくれた。
「ほい、くーっと飲んで、踊っておいで」
「あんなむさっくるしいので舞台を占領されちゃあたまらないよ。
あんたたちみたいに若い子がもっと出てくれなきゃね!」
むさっくるしいのとはもちろん、バリトンら木こりたちとハンスのことである。
そっと広場を後にするバルカ。
月の青白い光と、炎の赤い光が対照的だ。
広場を少し離れるだけで、嘘のように音が遠くなる。
森は静かに、そこにある。
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GMより:
明日で終了でーす。