>「ここは、魔法王国の魔術師によって作られた、言わば箱庭です」
ルーシィは口を開き、語り始めた。
その多くは入口のレリーフ、及び扉の番人たるシーから得た情報と
符号するものだった。
ルーシィから話を聞いてる合間にも、歌は谷中から響いてくる。
どうやらフェザーフォルクと巨人が歌っているから、
二重唱の様に聴こえる模様だ。
「ヒルジャイアントか...」
該当する種族を自分の知識の中から検索しようと試みるが、
残念ながら思い当たらなかった。全く不勉強だ。
「この谷に響き渡る歌声は、貴殿の同朋と巨人達が歌っておるのですな。
ではこの谷には、現在でも各々の種族、それなりの人数が
暮らしていると認識して間違いはないですかな?」
とルーシィに確認してみる。
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やがてルーシィは件の詩人の正体について言及する。
>「彼は―――ジュリアンは、この地が出来て間もなく、
> 魔術師の方針に異を唱え彼女に刃を向けた為に翼をもがれました。
> 以降ずっと、この地への案内役として縛られています。
> 当時の私たちは、彼が乱心したとしか思っておりませんでした。
> この地が不自然であり、いつかあのような悲劇が起こることを、
> 彼以外、誰ひとり予見出来ていなかったのです」
詩人に罰を与えたのは慈悲深きレディ・マドンナ、という事か。
二つの種族の繁栄の為に谷を作った、と言うと聞こえはいいが、
要するに古代魔法王国期の常識に漏れず、妖精や巨人などの異種族を、
愛玩動物や奴隷に類する下等生物とみなしていたのであろう。
この谷を『箱庭』と称するのが何よりの証拠だ。
ジュリアンに反抗されたレディ・マドンナは、飼い犬に後ろ足で
砂を掛けられた様な心境で怒り狂ったに違いない。
>「歌が聞こえるでしょう?」
>「あれが唯一、心を保てる儀式なのです。
> 毎夜毎夜、巨人たちも、私たちも、死者を慰め、
> 自分たちを慰める為に歌い続けます」
毎晩あの歌を歌う事で、この世界に存在を繋ぎとめているのか。
そうだとすると、襤褸の詩人―ジュリアン―が毎日同じ歌を繰り返して
いたのも道理がいく。
「この歌は、呪歌に類する、魔法的な効力を秘めたものと解釈すれば
宜しいですかな?」
ルーシィの話を聞きながら、頷く。
「もしも、もしもの話ですが。この歌を歌うのを止めた場合。貴殿等には
どのような変化が起こるのでしょうか?」
杞憂かも知れないが、不測の事態に備え、出来る限りの情報は聞いて
おきたいのだ。例え、それが不穏なものであっても―――
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>「この川を遡った最深部に、小さな礼拝堂があります。
> そこに、巨大なマナの塊が安置されています。
> ―――魔晶石、という名だったかと思いますが」
間隔が空く。まるで喋るのを躊躇している様だ。
>「それを、破壊していただきたいのです。
> そうすれば、私たちの縛りは解け、
> この地はゆるやかに滅びて行くことでしょう」
息を、大きく吐いた。余程の緊張を伴ったらしい。
>「マナの塊は、マナの力によって物理的な力を全て排除します。
> ですから、魔力を解く魔法でその力を打ち消し、直接打撃を加えれば。
> 破壊出来るはずなのです」
言い切ると、こちらを力強く見据えた。
>「―――やって、いただけますか」
服の襟を正し、ルーシィを見やった。
「我々は襤褸の詩人ジュリアンから、解放の願いを託されて此処まで来た。
貴殿の願いを適える事に吝かではないが、その為にも何点か確認させて
頂きたい事がある。宜しいですかな?」
仲間に視線を巡らし確認する。
彼女等なら、自分の言葉が足りない所は補ってくれるだろう。
「まず、この楽園を維持している動力源と思われる魔晶石。
それを貴殿の願い通りに破壊出来たとしましょう。
貴殿が言うには縛りが解け、この地が緩やかに滅びていく、との事じゃが」
言葉を一度切り、ルーシィの瞳を見つめてから続ける。
「縛りが解けると、貴殿等はどうなるのですかな?時間の流れを一気に
その身に受けるという事はないですかな?幾ら妖精族や巨人族とは言え、
数百年の時の流れは大きい。そこが気になりましてな...
その点については考えは致しておられるのですかな?」
この問いで、ルーシィの覚悟を見極めるつもりだ。
「それと、貴殿とジュリアン氏の願いは確かに聞いたが、現在楽園に
済んでいる者達の意見はどうであるのか...それについてもお聞かせ
頂きたい」
ルーシィの願いが楽園に済む者全ての総意とは限らない。
ましてやかつては敵対していたという巨人族までが住んでいるのだ。
万一反対勢力に襲われたりしたら大変な事になる。
「現在、巨人族と貴殿ら翼の妖精族との関係は修復されているのですかな?」
一応、楽園の現状についても確認しておかないといけない。
「あと、礼拝堂についてじゃが。楽園の礎を安置している重要な場所、
何か守護者、魔法生物や魔獣の類が配置されてはおりますかな?
その有無により此方としては対策を練らねばいけなくなりますでな...」
大抵、遺跡では守護者が配置されている。大半が強大な力を有した怪物だ。
ましてやここは現在も"生きている"のだ。
用心するに越した事は、ない。
「最後に。扉を守る番人が、以前に何人かこの楽園へ辿りついた者が居たが、
戻って来た者は誰一人居なかった、と言っていたのだが、その先客が
どうなったのか、もし知っているのなら教えては頂けますかの?」
その質問に対する回答次第で、この楽園の正体の片鱗が見える。
視線はルーシィから逸らさない。俄かに鼓動が早まるのを感じる...
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PLより:明日は早番なので今晩中に頑張ってもうひと投稿!
ルーシィさんはダイヤモンドと一緒に空の上~♪
さて、そのルーシィさんに質問です。
1)今は姿が見えないけど、巨人達にも生き残りは居るの?
2)歌を歌わないと貴女達はどうなっちゃうの?
3)もし礼拝堂の魔晶石を破壊した場合、貴女達はいきなり死んで
しまうかも知れないけど、それは分かってる?
4)貴女の願いは、楽園の住人全ての総意ですか?
5)今は巨人とフェザーフォルクは揉めてないの?
6)礼拝堂の魔晶石には守護者や魔獣は置かれてません?
7)扉の門番から、今迄自分達以外にもこの谷へ到達した者達が
居るって聞いたけど、その人達はどうなちゃったの?
そして以下にヒルジャイアントの<怪物判定>の結果を添付します。
...セージ1Lvじゃ駄目ねえ...(鬱)ジェノに教わります。
ガラフ@テッピン : <怪物判定>ヒルジャイアント:基準値3、目標値12 2D6 → 4 + 1 + (3) = 8
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ガラフ@テッピン : ...悲しい事に知りませんでした(_o_)