楽園の崩壊。

>「ガラフ、ありがとう。
> あんたが守ってくれたおかげで、私もルーシィも助かった」

自分同様、息も絶え絶えになりながら、マルドルが声を掛けてきた。

「礼には及ばんよ。お主がルーシィを抑えてくれたからこそじゃ」

軽く手を上げ、返事をする。

そこへ、礼拝堂からカーツとジェノが駆けつけてくる。

>「カーツ! ジェノ! あんた達も無事で良かった!」

>「二人とも、よく頑張ってくれた...ありがとう」

ジェノは義理堅く労いの言葉を掛けてくる。

>「あんた達こそ、よく頑張ったよ。間に合ってよかった」

「お互い様じゃ。二人が防壁を破ってくれなんだら、今頃ワシとマルドルは
 挽き肉にされていた所じゃ。よくやってくれた。お陰で命を拾う事が出来た」

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> "ありがとう"

> "ありがとう"

谷に満ちる歓喜の声。
フェザーフォルク達の身体が砂の様に崩れ去っていくのに気づく。
これがルーシィの望んだ開放。

  """ありがとう"""

>「ルーシィ...!」

意識を取り戻したルーシィが、立っていた。
先程までの狂気は消え失せ、穏やかな、満ち足りた表情をしている。

>「ありがとうございます。
> よもや、私を救って下さるとは」

涙が頬を伝い落ちる。
彼女の身体も、所所に罅割れが走り、今正に朽ちていかんとしている。

>「これを」

マルドルに翼を象った短剣を手渡す。
優雅な装飾だ。金剛石が一際輝く。魔力が込められているのかも知れない。

>「私から差し上げられる、あなた方が価値を見いだせるであろう物は、
> これくらいです。
> 私は、ジュリアンを迎えに行かなければ」

>「...義理堅いんだな、あんた...」

ルーシィから短剣を受け取り、マルドルが感慨深げに呟く。

ルーシィは星空を見上げると、翼を広げた。

>「ヒューリーに取り憑かれたままでしたら、
> このまま彷徨う存在になり果てていたやもしれません。
> ありがとうございました」

>「私も、あんたを狂ったまま楽にするには、忍びなかったんだ。
> 頑張った甲斐が、あったな」

「光の神に仕える者として、いや、それ以前に生命ある者として、
 どうしても貴殿等を救いたかったのだ。
 それは先に言った通り、偽りない気持ちじゃ。
 ルーシィよ、貴殿のその顔を見られただけで苦労も報われたというものじゃ」

返答の代わりに、翼が鳴る。
頭を下げるとそのまま空高く舞い上がった。
天空は星の光で満たされている―――

「ルーシィよ、貴殿とジュリアンに星王の祝福を...!」

その祈りが届いたのか。
ルーシィは白く輝く光と出会い、それを抱き止める。
愛おしそうに撫でると、そのまま、砂となって散っていった。

>「・・・・・ジュリアンさんに、会えたんだね」

>「あぁ......後であの森に寄って見よう」

>「そうだな...」

「行こう。弔いをきちんとしてやりたいしな」

ルーシィとの別れを終え、心が満たされるのを感じる。
しかし、まだ全てが終わった訳ではない。
これから始まるのだ。
偽りの楽園の崩壊が...

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>「川を下るのです」

>「お早く」

気がつくと、小柄なフェザーフォルクの少年が二人、立っていた。

>「同胞を、母を、父を、解き放っていただき、感謝の言葉もありません」

>「川を下り、滝を抜けると番人の巨人がおります」

>「彼は誠実な巨人です。
> 人の街に帰るのに手を貸してくれるでしょう」

どうやらこの地に住まう翼の妖精の内、生き残った者がちゃんといたらしい。
つまり、寿命の尽きていない、この少年達。
顔つきが同じ所を見ると、双子かも知れない。

「丁寧な案内感謝しますぞ、少年達よ...」

と、礼を言い掛けたその時。

>    ド

"核"を破壊しても尚止まない地響きに爆音が加わる。
遠くの崖の一部が崩落し、そこから鉄砲水が溢れて此方に向かってくる!

>「感傷に浸る間もないのか!」

「全く...一難去ってまた一難じゃのう!」

>「川下へ!」

>「水が満ちては手遅れになります、お急ぎください!」

それは言わずもがな。
あの濁流に飲み込まれたら間違いなく助からないだろう。
ましてや自分は鉄製の鎖帷子を着込んでいる...
 
「了解した!こんな所で死にたくはないからのう!
 足は短いが全力で回転させてみせよう!」

周りが人間ばかりで気づいては貰えないが、
かつて故郷では俊足で名を馳せていたのだ。

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傷だらけの身体に鞭を打ち、死に者狂いで走る。
何とか、置いて行かれずに済んでいるが、それも何時まで持つか。

>「ああ、それでいいんだ!」

誰に対するでもなく、叫ぶマルドル。
恐らく、心の中の声がつい漏れたのだろう。

走りきってもうすぐ限界になろうかという時、窪地の隅の崖に到着する。
見ると、其処には川が流れ出る大穴があった。

>「この奥が滝になっています」

>「ドワーフの方とそちらの女性は私たちがサポートします」

>「行きますよ!」

「滝、じゃと!?」

思わず絶句する。
しかし選択肢は他にない。
否応も無く、川に飛び込む。

>「滝じゃねえかああああああ――――!」

あまりの急展開にマルドルが下品な絶叫をする。
今回ばかりは、流石に彼女に女性らしい言葉遣いについて説教する余裕はない...

>「ガラフ!」

>「ガラフ!ガラフを――!」

滝壺に落ちれば間違いなく沈んでいくであろう自分を、
双子が、マルドルとジェノが必死に支えようと手を伸ばしてくれた。
しかし、力及ばない...

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大きな音と衝撃を上げ、水面に衝突する。
そして、沈む。
水をかいて浮かび上がろうとするが、
先程命を救ってくれた鎖帷子が今度は戒めとなってこの身を縛る。
苦しさにもがくがどうにもならない。
段々意識が遠ざかる...

.........

.........、

.........?

>「楔は折れた。
> 戒めは解き放たれた。
> ああ、ありがたや」

低く力強い。まるで大地そのものの様な声に意識が引き戻される。
ぼんやりとした視界に焦点が定まると、眼前に巨大な老人の顔があった。
大きい。丘巨人か?と一瞬考えたが、すぐにその考えを否定する。
何故なら、自分を抱き抱えた大量の腕に気づいたからだ。

「これは...救って頂き、感謝致します」

状況に頭がついていかないが、取り合えず礼は述べる。
この御老人が百腕巨人だとは、後になってジェノから聞かされた話であった。

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PLより:ヘカ爺様に救って頂き感謝、の図。
     <怪物判定>は例によって失敗したので(をい、
     ジェノに教わりますね。

     今回はチェインメイルのお陰で助かったり死にかけたりと
     忙しいなあ(苦笑)

ガラフ@テッピン : 怪物判定:ヘカトンケイレス(目標値15)、基準値3 2D6 → 4 + 4 + (3) = 11
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ガラフ@テッピン : ダイスはまずまずでしたが知りませんでした。