ぽーんと空中へと投げ出され、滝へと落下するボク達。
高い――!
ボクに、二人のような翼があったなら・・・!
支えられるほどの大きな翼があったなら・・・!
『束縛無き風の乙女、シルフよ!
流麗たる水の乙女、ウンディーネよ!
――皆を守って!』
ボクに出来る事は、精霊さん達にお願いする事だけ。
ほんの僅かな時間。
精霊は聞き届けてくれるとも限らないけれども・・・
大きな音と共に滝壺に落ちる皆。
たくさんの泡で視界が遮られる。
どっちが上なの・・・?
水中でもがいて居ると、ふと体を支えられた。
そして水面へと導いてくれたのは・・・
>「...んむ、お帰り、カーツ」
セリトだったなの。
「セリト!」
会いたかった、会いたかった。
無事で良かった、セリト・・・!
「ただいまなのっ」
ぎゅうっと、彼に抱き付いた。
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全員無事に滝壺から脱出し、焚き火にあたる。
ガラフを助けてくれたのはヘカトンケイレスという巨人さんだったなの。
ジェノちゃんって、物知りなのね。
こんなにたくさん腕のある巨人さんがいるなんて、全然知らなかったなの。
そのジェノちゃんはバムさんに助けられ、
マルドルもフェザーフォルクの双子に助けられたなの。
「皆、本当に無事で良かったなの」
全員の笑顔を見て、ほっと安心したなの。
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ヘカトンケイレスさんは、"天を仰ぐ腕"という名前で、
門の前に居たシー同様、門番として長い間縛られていたみたいなの。
ボク達が楽園を開放した事により、その呪縛から解き放たれたみたい。
帰りの道を教えてくれると、ボク達の姿が見えなくなるまで、
ずーっと手を振り続けてくれいたみたい。
フェザーフォルクの双子のショーンさんとジュードさんも、
同族を求めてグロザムルの山々を目指すみたいなの。
「いつか、また会えるかもなの。
どうか、ご無事で。
良い旅をお祈りしてますなの」
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「マルドル。
お守り、ありがとうなの」
彼女から預かったお守りを手渡す。
>「カーツ、私はもう少し、精霊と仲良くなってみたいと思う」
マルドルは少し考えて、口にした。
「うん。
僕に手伝える事があったら、教えてなの」
にっこりと、微笑む。
マルドルはレベックを奏でながら、
ガラフはジュリアンさんのリュートを大事に抱えながら、
彼の歌っていた歌を口ずさむ。
"母なる大地の子らは
大いなる自然の中で腰を下ろし
歌を歌い続ける――― "
"霧深き渓谷の底
緑萌ゆる草原の床
大地の子らは歌い続ける――― "
正しき方向へと、魔力を導けるようにならないと。
悲しい出来事を食い止められるように。
少しずつ、少しずつ、進んでいかなきゃ。
たくさん学んで、皆の手助けになれるように。
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PL:皆様お疲れ様でした!
ジェノちゃんにヘカトンケイレスを教えてもらい、
マルドルに預かった魔晶石3点を返却しまーす。
皆無事で本当に良かったああ!;w;